疑義照会の簡素化、これからはトレンドだ

カテゴリー 水八寿裕0件のコメント

 

以前、神奈川県川崎市での取り組みについて記事を書きました。処方箋の取り扱いに関するいくつかの点で、薬剤師の判断で医薬品の交付をすることが可能となっています。私自身、疑義照会の簡素化はもっと多くの医療機関で実施すべきではと考えており、今回はさいたま市薬剤師会がさいたま市民医療センターとも合意書を交わしたことについて取り上げたいと思います。

合意内容の一部抜粋です。患者不利益が無いことが前提で可能になる項目。

1) 成分名が同一の銘柄変更が可能
例)銘柄処方ノルバスクOD錠5mg⇔併売品のアムロジンOD錠5mg

2) 内用薬の剤型変更・規格の変更
例)錠剤⇔口腔内崩壊錠⇔カプセル剤
例)散剤⇔顆粒剤⇔細粒剤⇔ドライシロップ剤
例)ガスターD錠10mg2T⇔ガスターD錠20mg1T

3) 診療報酬を算定しないアドヒアランス向上のための 一包化 分割 粉砕
(診療報酬算定する場合は従来通り問い合わせが必要)

4) 貼付剤 外用薬の包装・規格変更
例)ヒルドイド軟膏25g・2本⇔ヒルドイド軟膏50g・1本
例)モーラスパップ6枚入り7P⇔モーラスパップ7枚入り6P

5) 過去の疑義照会で一度変更があった変更については事後報告で対応可
例)患者希望による後発品→先発品 外用薬の用法など

6) 処方日数の適正化
例)ビスホスホネート製剤 連日投与製剤→週1回製剤など
但し他の処方薬と同一日数になる場合のみ。

混乱を避けるため、変更結果を指定した服薬情報提供書を病院薬剤部へ報告することになります。
メリット デメリットなど挙げてみます。

メリット 
患者   問い合わせによる待ち時間の減少
医療機関 問い合わせに係るスタッフの業務の軽減 疑義照会件数の減少
薬局   問い合わせに要する業務負担の軽減 在庫管理の受発注業務軽減
医薬品卸 指示通りの医薬品処方のための緊急配送の負担軽減

デメリット
医療機関 薬剤部での本件により発生する服薬情報提供書の業務負担
製薬会社 1成分2銘柄販売品のマーケティング戦略の見直し

この合意、やはり一番利益を得るのは患者さんです。また、薬局から処方元への患者服薬情報の提供は、今後の制度改正によってさらにボリュームが大きくなり、病院、薬局薬剤師の基幹業務となるでしょう。まずはこのトレンドにしっかり乗っていくことが連携の基本となるのではないでしょうか。

 


avatar
ふくろうメディカル代表・株式会社実務薬学総合研究所 薬剤師
東京理科大学薬学部 臨床准教授
1968年福島県郡山市生まれ。1990年東京理科大学薬学部に入学、大学院修了(薬学研究科修士)。武田薬品工業でMRとして勤務。その後薬剤師(薬局・大学病院・診療所)人材会社を経て現職。
※ふくろうメディカル:個人事業で医療関連の著作・研修資料作成などを行なっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です