楽天メディカルの光免疫療法が保険適用決定 世界初も、評価はおさえめ

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 中央社会保険医療協議会(中医協)総会は11日、楽天メディカルが申請していた難治性の一部のがんに対する新療法「光免疫療法」に必要な医療機器、薬剤の保険適用を決定した。12月1日より保険適用での治療が可能となる。

総額600万弱も、高額療養費制度の対象

 今回保険適用が決定したのは、光免疫療法に必要な薬剤「アキャルックス」や同薬剤に外部から赤外線を照射する装置「バイオブレード」など。適用できる疾患は「切除不能な局所進行または局所再発の頭頚部癌」となっている。

中医協に提出された資料より

 光免疫療法は、まずアキャルックスを点滴で体内に入れ、一定時間を経過させる。この間に、有効成分「セツキシマブサロタロカンナトリウム」が腫瘍細胞が発生させるEGFRという物質にだけ結合する。その後、患部にバイオブレードを使い、同有効成分が反応する周波数の赤外線を照射するとその成分が爆発し、腫瘍細胞を破壊するしくみだ。

 この有効成分はもともとフタロシアニンと呼ばれる、顔料および染料として使われる化合物をベースとしたもの。この物質に起因する副作用はほぼないとされ、また、照射する赤外線以外の周波数にも反応しないので、安全性の高い、通常の薬剤とはまったく発想の違う画期的な療法として注目されている。

中医協に提出された資料より

 今回保険適用が決まった理由は、適応症に対する既存療法の治療成績より、光免疫療法の臨床試験での成績が上回ったためだ。アメリカおよび日本で行われた臨床試験では最高で66%の奏効率を示しており、これが決め手となったとみられる。しかし両国ともに臨床試験の症例が少なく、特に日本での症例は3例のみで、決定的な治療法という評価を与えるにはまだ不十分と言わざるを得ない。中医協でもこの点を考慮され、先駆け審査指定制度指定品に認められる加算率が10%、また新規作用機序を開発した場合に認められる有効性加算も5%と、低めの評価にとどまった。

 中医協で決まった保険適用価格それぞれを足し合わせると、光免疫療法は1回600万弱。高額療養費制度の適用となるので、実際には最高で30万弱の自己負担になるとみられる。完全奏効が見られない場合、それぞれ4週間以上の間隔を空けた上で、最高4回まで保険適用で受けることができる。

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