麻疹(はしか)に関する私見

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はじめまして、藤沢の片隅でクリニックの勤務医しております。
小児科です。

都内でも麻疹感染者が出て、感染は拡大の一途を辿ります。残念なことに今の時点でできる「万全の対策」を取るのは困難です。しかし早期に麻疹を疑うことができれば、少しでも拡大を減らすことはできるかもしれません。麻疹自体が少なくなっており、麻疹患者自体を診る機会が減っているのが事実です。そこで、私見にはなりますが初期症状から麻疹を疑うポイントをあげさせていただきます。

[麻疹の初期症状を疑うポイント]

・高熱

・目が赤い、目やに→見た目ほど痒みがない、痒みというより違和感
(ちなみに麻疹の発疹も痒みはあまりない)

・鼻がぐしゅぐしゅする  ※重要
鼻水くしゃみというより「ぐしゅぐしゅした感覚」

・初期症状は「発疹無し」「コプリック斑無し」※重要
これらは後から出てくる

・CRPは上がらないが好中球の核の左方移動(傾向)あり、
LDH上昇→viralなのに左方移動、LDHは参考にする

 

[鑑別のポイント]

・伝単との鑑別
伝単は扁桃白苔が著名だが麻疹は白苔はあまりない

・プール熱との鑑別
プール熱は咳やのどの痛みが強いが麻疹は鼻水鼻のぐしゅぐしゅ感が目立つ。
→アデノウイルス迅速キットをやる。

・川崎病との鑑別
KDの眼症状は「白目が濁らず白目の血管が拡張する」「目やにはあまり出ない」KDはCRPが上昇する。麻疹の眼症状は「白目の濁りと目やにがある(目やには膿性のポロポロしたタイプではなく、わりと透明で粘液様)」。(ちなみにプール熱も白目が濁るタイプです)

・溶連菌との鑑別
溶連菌の咽頭発赤は扁桃を中心に拡散するような小さい紅斑が散らばる。眼の症状は弱い。
→溶連菌キットをやる。

・インフルとの鑑別
インフルは咳が強い、眼の症状は弱い、咽頭の発赤は特徴的なものは無い。
→インフルキットをやる。

まとめ: 高熱が出て目と鼻がぐしゅぐしゅ。

上気道症状だけだと鑑別が難しいですが「なんか顔が汚れてて落ち着かないなあ」、という印象を受けると思います。そういう状況は、あまりインフルエンザとかではみませんよね。
麻疹の初期症状をカタル期と言って、実は一番感染力が強い時期です。上記私見はあまり教科書にも載らず、共有されにくいですから参考にしていただければと思います。


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山内病院付属藤沢スマートタウンクリニック 小児科部長
日本小児科学会 小児科専門医
「正しい医療情報のための連携会」Facebookグループ会長

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