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検出機器不要かつ約25分で判別 新型コロナに応用可能な新検査法発表 

2020年5月15日

東京医科大と日本大の研究チームは14日、PCR法より短時間かつ簡便に感染の有無を判別できる新検査法の開発に成功したと発表した。唾液やたんでも診断でき検出機器も不要で、しかも約25分後に目視で判別できるという。

検査対象の遺伝子を機器を使わず「見える化」 最短25分で判別

この検査法を開発したのは、東京医科大学小児科・思春期科学分野の河島尚志 主任教授と日本大学文理学部化学科の桑原正靖 教授の研究チーム。新型コロナウイルスの検出には、現在PCR法と呼ばれる検出方法が標準で用いられている。これは新型コロナウイルスは一般に採取した検体に含まれる量が少なく、高度な遺伝子増幅技術を用いるPCR法が最適とされているからだ。

しかしこの検出法は検査機器を長時間使用しなければ精度の高い検出ができず、またこの装置を扱う臨床検査技師にも経験とスキルが求められるため、感染拡大局面にも検査数を劇的に増やすことが厳しいといわれてきた。また専門の検査機関で行わなければならず、結果が被験者に伝わるまで数日かかってしまい、その間に重症化するリスクも否定できない。

今回研究チームが開発した手法は、SATIC法と呼ばれるまったく着眼点の異なる技術を用いる。PCR法ではまずターゲットとなるウイルスの遺伝子(DNA、RNA)を抽出し増幅を始めるが、SATIC法では手動で抽出する必要がなく、近年、特定のRNAと結びつくことが知られ注目されている「チオフラビンT」などを用いた試薬で自動で検出を始め、増幅させる。次に、様々な分野で活用されているナノレベルの大きさの磁性体(ナノ磁性ビーズ)の特性を生かし、増幅させたターゲットの遺伝子を磁気の力で凝集させていく。最終的に、最短25分程度で目視で分かるほどの凝集が見られるという。

また、この検査法は咽頭拭い液を必須とせず、唾液やたんでも検出できるのも大きな利点としてあげられる。つまり医療従事者が直面する検体採取時感染の危険性がなくなる。さらに、遺伝子増幅、検出に必要な機器も不要で、検査したその場で判定でき、クリニック・検疫・家庭でも感染の有無を知ることが可能としている。

実際の患者の検体で検証 PCR検査と同等の精度を確認

研究チームは精度を確認するため、東京医科大学の関連病院から、PCR検査で陽性となった新型コロナウイルス患者の検体を取り寄せ、今回発表した手法で検査を行った。結果、PCR法で陽性と判定された咽頭・鼻腔ぬぐい綿棒、唾液、たんのすべての検体で陽性と検出できたという。比較として健常者やインフルエンザ患者の検体でも調べたところ、全例、陰性との結果も得られた。

研究チームは目視で判定できるこの検査法は世界にも例のない先駆的なものであり、迅速、安全、さらに簡便に新型コロナウイルス感染者の診断と隔離が行えるようになる革新的な技術だとしている。なお現段階としては特許を申請した段階であり、実用化の時期については明確には定まっていない。

 


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