ニュース

米バイオベンチャーの「RNAワクチン」治験第一段階で良好な結果 秋までに実用化か

2020年5月19日

米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは18日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの第一段階の治験の暫定的な結果を発表した。治験参加者45人に日にちを空けて2回投与したところ、全員が抗体を獲得したことを確認したという。同社では当局の指導監督のもと、まもなく第二段階の治験へ進む予定で、こちらでも良好な結果が得られれば7月にも最終段階の治験を実施、同月にも実用化する考え。

独自のRNAワクチンを研究開発

モデルナは新型コロナの有力なワクチン候補「mRNA-1273」を米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と共同で開発している。ウイルスそのものを扱い、鶏卵培養で生産する既存の手法と違い、ウイルス細胞の設計図であるmRNAだけを投与し、投与された体内で病原体の一部が生成されることを通して、それに対する抗体を獲得させようとする。抗体の獲得効率が高くまた生産速度も格段に早まると見込まれており、非常に期待されている技術のひとつだ。

今回の治験では、異なるワクチン量を2回に分け、18~55歳の男女45人に投与した。その結果、新型コロナに感染し、回復した患者に見られるのと同程度かそれ以上のレベルの抗体が全員に確認できた。一部の被験者にはウイルスの感染を予防する働きを持つ「中和抗体」も確認されており、現在まで重篤な副作用も見られないとしている。モデルナはこの結果を受け、被験者を600人に拡大した第二段階の治験をまもなく開始する。こちらも順調に突破すれば、最終段階の治験を7月にも始め、世界初の実用化を目指す。生産体制に関してはすでにスイスの製薬会社と協業済みで、当局の承認が出次第、秋までには実用化、2021年以降は年間10億本規模の生産能力確保を目指すとしている。

なお新型コロナウイルスに対するワクチン開発は、モデルナの他にも、中国、英国、ドイツ、フランス、日本などで8つの候補物質の研究開発が行われており、その中で日本では、大阪大学の森下竜一教授が主導で進めているDNAワクチンのプロジェクトが知られている。


You Might Also Like

No Comments

Leave a Reply