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厚生労働省、唾液によるPCR検査を許可 2日にも自治体向けに通知

2020年6月1日

厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査の検体に唾液を使うことを認める方針を決定した。2日にも自治体向けに事務連絡する。鼻の奥を粘液を綿棒で拭い取る従来の方法よりも医療従事者の感染リスクが低く、患者にとってもより安全で効率的な検査が可能になる。保険適用も認める予定で、検査体制強化の有力な一手になりそうだ。

2日にも事務連絡へ 感染研の検査マニュアルも更新予定

現在認められているPCR検査の検体として、鼻の奥深くまで綿棒を差し入れ、拭い取る「鼻咽頭拭い液」のみが認められているが、この採取方法は医療従事者が安全な採取を行うため熟練する必要があるだけでなく、患者にとっては奥まで差し込まれるため苦しく、くしゃみによる飛沫感染の可能性が指摘されていた。

他の検体については、各国の臨床現場から唾液に含まれるウイルス量の多さについて論文で指摘される例が複数上がっていたほか、米エール大が4月、唾液は鼻の粘液に比べ検出できるウイルス量が多く、感度が高いとする報告をまとめていた。日本医師会も5月7日に唾液を検体に用いたPCR検査を認めるよう政府に申し入れていた。政府はこれについて、一部では逆に感度が落ちるという報告があることを踏まえ、北海道大学等に「鼻咽頭拭い液」と「唾液」による検査精度の比較試験を委託していた。このほど唾液でもほぼ同等の精度を得られるとの結果が出たもようだ。

唾液の場合、患者自身が容器に吐き出すだけで簡単に採取でき、個室などでの自己採取も可能だ。将来的には検査施設に依頼せずとも、一般の診療所などでの検査の可能性に道が開ける。東京都は厚労省の決定を受け、迅速に唾液によるPCR検査を本格導入する方針だ。

今回の通知により、現在ある検査キットのすべてで唾液による検査が可能になるが、試薬によって結果の判明する時間が変わる。国内では島津製作所とタカラバイオが短時間で結果を出せる試薬を開発しており、両社の試薬を活用すれば、おおむね1時間程度で陽性かどうか分かる体制が構築できることになる。


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