【新型コロナ】医療崩壊すでに現実化、全国で「医療提供できない」「受けられない」の声相次ぐ

ニュース
スポンサーリンク

政府は13日にも、緊急事態宣言の対象地域に大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県を追加することを正式決定する。先に指定した1都3県だけでなく、年末年始にかけこれらの地域でも爆発的な感染者の増加がみられたのが理由だが、宣言の目的の一つである医療崩壊の防止については、残念ながらすでに間に合わなかったというのが実情だ。ネットを中心に、コロナ診療に従事する医療者、感染者の両方から「医療を提供できない」「入院できない」という悲痛な声が相次いでおり、事態の深刻さは増すばかりとなっている。

東京都

東京都が1月12日付で公表している入院患者数は3,427人で、確保しているとする病床数は4,000。病床使用率は85%だが、都が公表している病床数は「確保病床」。言い換えれば『都が都内の病院に対し確保をお願いしている数』に過ぎない。つまり実際は確保などできておらず、本当に空きがあるのか分からないというのが正確なところだ。
それを示すのが、年末からうなぎのぼりを続けている「入院・療養等調整中」の人数。12日では6,141人と、3日前の倍以上に膨れ上がった。500床以上空きがあるのであれば、今後の感染者数の増加を見据えて入院すべき人を「選別」したとしても、もう少し入院数を増やせるはずだがそうはなっていない。

事実、各媒体やネットを中心に、PCR検査で陽性になったものの入院先が決まらず望まない自宅待機が続いているケースが複数報告されている。3日に陽性が判明した3人の子どもを持つ都内の女性は、家庭内感染で全員陽性となり全員での入院を希望したが、保健所から子どもの入院は断られ、自身の入院先も決まらず1週間待機し続けている(10日現在)。

さらに、コロナに関係ない怪我や病気のケースでも、コロナ対応のため入院先が決まらなかったという訴えも多く出ている。端的なのは4日に報道された4歳の男児が車にひかれて亡くなったという痛ましい事故。男児の父親によると、事故現場近くの病院がコロナ患者で満床となっていて受け入れてもらえず、別の病院に搬送されるまで40分かかったという。

神奈川県

東京都以上に深刻な状態なのが神奈川県だ。12日付で公開されている数値から計算すると、重症者用病床の使用率は93%、中等症病床は87.9%。病床については「即応病床」としており、東京都より実態に近いだろう。ただしそれを示すように、年が明けてから連日、それぞれ自宅療養していた男女2人が急変して亡くなるという事態が起きている。

2人の経緯を見ると、いかに現在の状況が逼迫しているのか見えてくる。男性の場合、管理を行っていた職員が、男性の酸素飽和度がかなり低い状態だった(79%)にも関わらず結果として救急搬送を行わず、連絡が取れなくなっても気が付かず放置していた。県は会見で「感染者の急増で作業量が増し、実態に追いつかなかった」と率直に認めている。

女性に関しても、昨年大晦日に発症したにもかかわらず、検査ができたのは年明け4日。陽性の結果が出たのは6日で、翌日7日に自宅で亡くなっているのが発見された。結果的に1週間も感染したかどうかすら分からず放置されていたわけである。

さらに、医療の入り口のひとつである救急搬送についても要請が相次ぎ、機能しなくなっている実態が浮かび上がっている。横浜市に在住する89歳の父親を持つ女性は、父親が高熱を出したので救急搬送を要請したが、「悪化したらもう一度呼んでください」と断られ、直後に再度39℃越えの高熱が出て、ようやく搬送してもらえたという。しかしそれでもPCR検査はしてもらえずそのまま帰宅となった。

この救急医療のひっ迫については、医療現場からも報告が上がっている。神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科の丹羽崇医師は、自身のSNSアカウントで救急対応のひっ迫が生じていることを認めている。丹羽医師によれば、宿泊療養できずに自宅療養している方が状態悪化し救急車を呼ぶという事例が急増しているという。救急隊員から「貴院で17件目」「ずっと断られていて」など受け入れを懇願されるが、「物理的に無理なものは無理」なので断らざるを得ない。結果どうなるかというと、入院基準を満たす可能性が極めて低ければ、救急隊は患者を乗せずにそのまま置いて帰ってしまうという。

丹羽医師は、この対応は「日本の救急医療では極めて異例」であり「このままでは病院の崩壊よりも先に、救急車のキャパシティーを超える」「神奈川は、意外かもしれませんが救急車が真っ先に限界になりそう」と訴え、こういった事例に当てはまるのは怖いと思う方は、できる限り密を避け、家にウィルスを持ち込まないように心掛け、人に決してうつさないような行動をしてほしいと県民に行動の自制を求めている。

外部リンク:丹羽医師のFacebook投稿

兵庫県

13日にも緊急事態宣言の対象地域となる見込みの兵庫県。県全体、神戸市双方とも重症者病床のひっ迫が懸念されており、12日現在、県全体では使用率が63.7%、神戸市に限れば実に94%を超える事態になっている。

このひっ迫した状況で診療を続けている兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科医長の伊藤雄介医師は、自身のSNSアカウントで「医療崩壊がそろそろ始まるかもしれない、と言われてますが現場は既に限界突破した印象」と明かし、実例として陽性患者がどこにも入院できず家族が酸素ボンベを借りたり、高齢患者が最後のみぎわに救急外来で搬送されてもベッドがなく、帰されるというケースをあげている。伊藤医師は「今は感染者数を抑えないと、その後の経済も医療も回りません。マスクを外して密に集う場面をなるべく少なくするしか、今は方法がない」と訴えている。

外部リンク:伊藤医師のFacebook投稿

愛知県

愛知県は首都圏、関西圏と比べ病床使用率の数値は比較的低いものの、年明け以降、新規感染者が一気に連日250人以上となり、急速に感染拡大が進んでいる。こうしたなか、すでに医療崩壊が始まっているという現場の声がSNSから上がっている。愛知県一宮市にある総合大雄会病院 循環器内科(感染症)の竹内一医師は「状況はとても悪い」と告白。竹内医師によると「重症例が数名発生した場合は転院調整をするがもはやそれもできない」とし、もしそうなれば、医療資源の関係から人工呼吸管理等ができず、最悪、助けられる命が途絶える可能性があるという。また新型コロナの診療を拡充すると、その他の診療の制限を余儀なくされ、結果、救急車の受け入れの制限等の事態に陥り、最悪その影響で助けられる命が途絶える可能性があるとする。

竹内医師はこうした現場からの深刻な見通しを示し「私達はとてつもない高い壁の前にいる」と現状を表現したが、「それでも私たちがやることは変わらない」と、やれる限りの医療提供を続ける決意と、手洗い・手指消毒・マスク・換気・ソーシャルディスタンスなどの感染対策を「自分を守る、家族を守る、友人を守る、大切な人を守る」ために行おうと呼びかけている。

外部リンク:竹内医師のFacebook投稿

タイトルとURLをコピーしました