神戸大、乳がんの新治療法の臨床試験完遂へクラウドファンディング 12日開始

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神戸大は9日、乳がん再発例に効果が期待される保険適用外薬の国内保険適用に向け臨床試験を実施するため、費用についてクラウドファンディングで支援を募ると発表した。臨床試験そのものの費用をクラウドファンディングで調達しようとする試みは国内では非常に少なく注目される。

「カルボプラチン」の臨床試験完遂へ 患者の切実な声に対応

クラウドファンディングによる臨床試験費用調達を着想したのは、神戸大病院乳腺内分泌外科の谷野裕一特命教授。乳がん患者のうち約10〜15%は、ホルモン療法も、分子標的治療薬も効かないいわゆる「トリプルネガティブ」と呼ばれ、抗がん剤が唯一の薬物療法の選択肢となる。この抗がん剤も患者により効き目が当然変わり、奏効しづらい場合の3年以内の再発率が高く、抗がん剤の新たな選択肢が求められている。

この新しい選択肢として以前から注目されているのが「カルボプラチン」。海外の研究では、トリプルネガティブの乳がん患者のうち転移や再発例について、標準薬とされる抗がん剤よりかなり良好な結果が出ており、日本の患者会などの求めもあり、谷野特任教授の主導で国内の臨床試験が実施されてきた。

しかし「カルボプラチン」は他の部位のがんでの適応で長く使われている薬であり、また複数社でジェネリックが販売されている事情もあって、製薬会社からの臨床試験続行のための運営資金、また試験に使う薬剤の提供すら得られづらい状況にある。日医工が唯一薬剤の提供で協力したものの、それ以外の各方面からの協力は得られていない状況だ。

今回、試験を完了へ導くため、谷野特命教授は医療分野でも多く実績を積んできているクラウドファンディングの活用を決断。目標額を2000万とし、12日から12月25日まで大手サイト「レディーフォー」を通じて支援を募集する。谷野特命教授は「年間1000人のがん再発を防ぎ、命を救うことにつながる。治療法の研究に関する良い前例にしたい」と支援を呼びかけている。

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