【加賀徇行記③】つながりを創るのは、つながり

カテゴリー 佐々木淳, スペシャル0件のコメント

石川における最終目的地、行善寺へ。

ここはお寺に隣接した特別支援学校のリノベーションをコアとしたコミュニティ拠点。
温泉やお蕎麦屋さん、高齢者介護、障害者福祉、子ども支援、そしてフィットネスクラブ、リラクゼーション、ハンバーガーの美味しい(ビールも飲める)カフェ、キッチンスタジオ、クリニックなど、さまざまな街の機能が集まり、地域の人々の生活の一部、そして交流拠点となっている。

地域住民は「自分たちの温泉」を無料で楽しみ、地域の高齢者や障害のある子どもたちと同じ場所で食事をしたり、運動したり、プールで泳いだり。園庭では、普通の公園ではなかなかできない木登りやフィールドアスレチックなど、少しチャレンジングな遊びが楽しめる。お母さんたちは園庭の周りに配置された日陰で子どもを見守り、お父さんたちはそれを眺めながらカフェでビールを飲む。オープンスペースでは、障害のある子どもたちが地域の学生たちと同じ空間で勉強し、カラオケスペースでアニメソングを歌い、僕らのような外来者にも目が合えばフレンドリーに話しかけてくれる。

「彼氏がいないなら、僕が付き合ってあげてもいいよ」と可愛さんに声をかけたのは小学六年生。忠相さんは人の良さを見破られ、子どもたちからなかなか離してもらえない。とにかくみんな明るくて、いきいきしている。

今回、佛子園の4つのサイトで「ごちゃまぜ」の心地よさを身をもって理解できた。そして、改めて人はひとりでは生きていけないのだ、ということを実感した。

佛子園は、人々が「自然に」集うコミュニティをいくつも再興している。そこには、的確な地域住民のニーズ分析と、居心地のいい空間づくりへの徹底的なこだわりがある。そしてサービスを提供するのではなく、住民も利用者も自然にそのサービスの一翼を担う形になっているのが最大のポイントだと思った。これは人件費の抑制のみならず、住民が新しい楽しみを発見するきっかけにもなる。

人とひととの対等なつながりこそが、社会福祉の原点。

佛子園の取り組みは、最適な優先順位で、やるべきことに真摯に誠実に向き合ってきた結果なのだと思う。そして、これを可能にしているのは、地域に理想の未来像を示し、そのプロセスを楽しいと思えるリーダーと、責任感と創造力のある有能なフォロワーたちの存在。
法人内にしっかりとした人とひととのつながりがあるからこそ、前例のない取り組みをどんどん開花させていくことができるのだと思った。

今回の視察で感じるところはたくさんあった。
僕も、未来への挑戦心は持ち続けながら、まずは仲間のつながりをしっかりと作っていきたいと思った。

素晴らしい機会をコーディネートしてくれた下河原さん、加藤さん、そして佛子園の雄谷さんはじめ関係者の皆様には二日間にわたり、本当にお世話になりました。

心より感謝申し上げます。


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医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
1998年筑波大学卒業後、三井記念病院に勤務。2003年東京大学大学院医学系研究科博士課程入学。東京大学医学部附属病院消化器内科、医療法人社団 哲仁会 井口病院 副院長、金町中央透析センター長等を経て、2006年MRCビルクリニックを設立。2008年東京大学大学院医学系研究科博士課程を中退、医療法人社団 悠翔会 理事長に就任し、24時間対応の在宅総合診療を展開している。

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