佐々木淳

UDFって、ご存知ですか。

2020年2月10日

ユニバーサルデザインフード(UDF)って、ご存知でしょうか。

日常の食事から介護食まで「食べやすさ」に配慮された食品です。介護食品は表示や規格がバラバラで、何を基準に利用すればいいのかわかりにくいという課題がありましたが、硬さと粘度に応じて整理・分類された規格です。

先日は、このUDFの規格に基づいた介護食品の開発や販売に関わる日本介護食品協会の中間期報告会にて「超高齢社会における食と栄養の重要性」というテーマで講演をさせていただきました。食支援を「食と栄養」とあえて2つの言葉で表現したのは、食事には、栄養や水分という医学モデル的側面と、生活の楽しみや社会とのつながりとしての食という場の社会モデル的側面、その両方が重要だと思うからです。

日本介護食品協議会が定める「UDF」の区分(ウェブサイトより引用)

日本介護食品協議会が定める「UDF」の区分(ウェブサイトより引用)
https://www.udf.jp/consumers/index.html

医学モデルとしての高齢者の栄養ケアの課題は、低栄養・サルコペニア・フレイルを防ぐこと。つまり、必要なエネルギーとタンパク質を確保することを最優先に、その人の食べる機能に最適な食形態を考慮すること。
低栄養の背景には、高齢者に対する誤ったボディイメージ(高齢者はやせているもの)、医療者の長年の栄養指導の悪影響(食べ過ぎるな、太るな、コレステロールの高いものを避けろ)、運動係数重視と傷害係数無視(動かないからカロリーは少なめでいいとは考えるが、基礎疾患があるからカロリーを増やそうとは考えない)、そして生活力の低下があります。

 

一方で、「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」がより重要であるという報告も増えてきました。
私たちの健康寿命・余命をより大きく左右するのは、医学的なケアよりも、社会とのつながり(友達の数や生きる目的の有無)なのだ、ということがわかってきています。
食事は、誰かと同じ場所で時間を共に過ごすこと、誰かと食事をするということは、その瞬間、お互いに「あなたの食事の相手」としての役割と居場所が自然に生まれます。そこでの会話やその場の継続性が、場合によっては生きがいにつながることもあるかもしれません。

専門職は、つい医学モデルとしての栄養にばかり着目してしまいますが、より重要なのは、社会モデルとしての食なのだ、ということ、そしてそれを食の提供の立場から賦活してほしい、そんなことをお伝えさせていただきました。

超高齢社会を豊かなものにするために。
新しい食と栄養の概念を日本から発信していっていただければと強く願っております。

貴重な機会を頂戴しました関係者の皆様、本当にありがとうございました。


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