健康診断は万能薬ではない

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健康診断を受けても健康寿命は延びない?

 

一般に健康診断で健康寿命が延びない、というのはもはや世界の常識ではないかと思いますが、日本ではいまだに多額の公金が投入されています。
健康診断で運良く病気が見つかった、という方もいると思いますが、費用対効果を考えると、もっと優先すべき合理的な社会福祉予算の使い方があるはずです。

健康指導で生活習慣病の医療費が下がった、というデータが紹介されていますが、健康指導を受けに行く人たちは、それ以外の方法でも健康な生活を維持しうる人たちです。
本当に重要なのは、例えば野菜を買えるお金でパチンコしたりタバコ買ったりしてしまうような、健康管理の優先順位の低い人たち、健康管理に無関心な人たちにどうリーチするのかということではないでしょうか。行政がやるべきは、健康優等生に対する公的助成ではないと思います。

名郷先生の見解にも同意します。
すでに生理的に相応の動脈硬化が進行している後期高齢者にとって、生活習慣病の「早期」発見がどれほどの意味があるのでしょうか。多くの後期高齢者は主治医を持ち、然るべき治療と健康管理を受けているはずです。また薬物療法のベネフィットとリスクを考えても、後期高齢者になってから治療を開始するのは合理的ではないと思います。
どうしても後期高齢者に対する健康診断を継続するなら、生活習慣病はターゲットから外し、低栄養、サルコペニア、オーラルフレイルを中心としたフレイル健診とすべきです。


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医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
1998年筑波大学卒業後、三井記念病院に勤務。2003年東京大学大学院医学系研究科博士課程入学。東京大学医学部附属病院消化器内科、医療法人社団 哲仁会 井口病院 副院長、金町中央透析センター長等を経て、2006年MRCビルクリニックを設立。2008年東京大学大学院医学系研究科博士課程を中退、医療法人社団 悠翔会 理事長に就任し、24時間対応の在宅総合診療を展開している。

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