2000人との出会いと、1600人との別れと。

佐々木淳
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今日は2019年の仕事納め。
いろいろなことがありましたが、無事、今年の定期診療を終了できてほっとしています。

悠翔会のチームの仲間たち、そして共通の目標に向かってともに在宅療養支援に取り組ませていただいたパートナーの皆様、そして悠翔会を支えてくれたすべての方々に心より感謝申し上げます。

「患者のニーズが最優先」という悠翔会が共有する基本的価値観。

確実に実践できたのか、と問われると、たくさんの反省点があります。もちろんたくさんのファインプレーもありました。どちらもチーム全体できちんとフィードバックし、よりよい支援につなげていきたいと思います。

2018年12月28日~2019年12月27日の1年間。
悠翔会は、新たに1943人(居宅991人/施設952人)の患者さんの療養支援を担当させていただきました。

診療が終了になった方は1612人。

うち亡くなられた方が1024人(在宅658人/病院366人)、在宅で最期まで過ごすことができた方は64.2%でした(病院死の一部も在宅看取りとしてカウントできることになっていますが、ここには含んでいません)。

在宅での看取りは、目的ではなく結果だと私は思います。
自宅で最期まで生活を継続できた。そして、自宅で旅立たれた。
医療者のイデオロギーで人生を捻じ曲げることなく、その人の人生のタイムラインにできるだけ自然に、穏やかに伴走していく。
そんな旅の過程において、急変や入院のリスクを最小化することは医療専門家としての重要な役割ですし、入院回数や頻度、看取り率は悠翔会の重要なKPIでもあります。(これについては年度末に改めてご報告差し上げます)

 

しかし、入院をゼロに、看取りを100%に、というのが私たちのゴールではありません。
「入院はダメ、点滴はダメ、胃瘻はダメ」ではなく、患者さんやご家族が納得できる選択を共に考えていくという態度こそが私たちの基本的なスタンスであるべきだと思います。

転居(施設入居・退去)により診療が終了になった方が323人、入院療養を選択された方が152人いらっしゃいました。それぞれの優先順位で判断した結果ですが、私たちの支援の在り方によって、もしかしたら違った選択ができたかもしれない、ということはきちんと検証していきたいと思います。

また、機能回復により通院に戻られた方が65人いらっしゃいました。多くが入院による医原性サルコペニアからの回復です。サブアキュート・ポストアキュートを在宅多職種で機動的に支えることにもより積極的に取り組んでいきたいと思います。

そして、私たちが患者さんのニーズに応えることができず訪問医が変更になった方が48名いらっしゃいました。悠翔会に期待してご紹介くださった方には、ご期待にお応えできなかったことを心よりお詫び申し上げます。自らの力不足をしっかり認識し、謙虚に学び続けます。

2019年は量的成長を追わず、診療と運営の両面の質的成長に、そしてそのモチベーションの根源である理念とビジョンの共有に重点を置いて取り組んできました。人事評価制度や組織運営の形も刷新しました。課題はたくさん残っていますが、在宅医療をスムースに提供していく上でのプラットフォームの骨格は徐々に強固になってきていると思いますし、組織の精神年齢が若返ったような気がします。

2020年は、このプラットフォームを基軸に、首都圏の在宅医療の質的ニーズにも確実に応えていくとともに、臨床のみならず、研究や教育にも腰を据えてしっかりと取り組んでいきます。また、超高齢化・重老齢化に伴い変化していく人口密集地域における未来の地域医療を模索しながら、フレキシブルかつダイナミックにチャレンジしていきたいと思います。

14年目に入った医療法人社団悠翔会。持続可能な地域医療インフラ・在宅医療のセイフティネットとして、そして一人ひとりの患者さんの人生最後の主治医として、必要とされる存在であり続けられるよう努力していきます。

簡単ですが、2019年の総括とさせていただきます。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
1998年筑波大学卒業後、三井記念病院に勤務。2003年東京大学大学院医学系研究科博士課程入学。東京大学医学部附属病院消化器内科、医療法人社団 哲仁会 井口病院 副院長、金町中央透析センター長等を経て、2006年MRCビルクリニックを設立。2008年東京大学大学院医学系研究科博士課程を中退、医療法人社団 悠翔会 理事長に就任し、24時間対応の在宅総合診療を展開している。

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