講談社週刊現代。女性医師は妊娠や生理があるから手術が不利なんだって。月経がコントロール出来ることも知らずに、大げさに書いてあって恥さらしでしかない。週刊現代の読者層にはこんなんが受けるんか。読者の高齢化と共に時間の問題で消える雑誌だけど、悪あがきがすぎる。 pic.twitter.com/sGy4SBKs3Q
— 宋美玄 (@mihyonsong) September 11, 2018
(編集部による貼付)
この記事を書いた人は…目の前の瀕死の患者さんを助けなければならない重圧がどんなものか知っているんだろうか?
家族の大切な人を預かって手術をする責任を理解しているんだろうか?
特に外科医はその責任の重さから過重労働になりがちで、男女にかかわらず、ほとんどの外科医が過労死レベルを超えて働いている。つまり、自分の命を削って働いている (だからきっと私は長生きはしない)。
そして、女性外科医。これまで、男社会の中で先輩の女性外科医が猛烈に頑張ってきた轍を、今、私と同世代の女性外科医が、次の世代の外科医を目指す女性が働きやすくなるように、結婚しても、子供を産んでも仕事ができるように闘っている。
そう。闘っている。
東京医大問題で露呈したように、医師という職業は、特に外科は、未だ女性が働きにくい、辞めずに続けるためには闘わなければならないような労働環境であることが多いから、東京医大のような合格者の選別が行われてしまう。
私自身も結婚して子供ができて、これまで日々葛藤しながら、「今まで頑張ったんだから」というサンクコストかも…?と時々本気で悩みながら、それでも患者さんが元気になって笑顔で帰る瞬間を心の糧にして必死でやっている。
こんな記事が週刊誌のネタになるように、これを「そうだよな」と思う人がいるのも事実だろうし、今まで露骨な男尊女卑的な発言をされることもあった。それも十分覚悟の上で、「求められたことは120%以上で結果を出す」を心に決めてこれまで外科医をやってきた。
たまたまだと思うが、最近手術の説明をした患者さんと家族から、説明の最後に「で、手術は先生がしてくれるんですか?」と聞いてこられて、「はい、そうです」と答えると、笑顔を返してくれたことが続いたのが、今の心の救いだが。
FBのお友達にはたくさんの素晴らしい記者さんやマスコミ関係の方もいるので、「ジャーナリストが」とか「マスコミが」とかでくくることは絶対にしないが、こんな想いでやっている者の気持ちを根拠のない記事で踏みにじっていいのだろうか?こんな記事を書いて誰が幸せになるのだろうか?日本の医療をどうしたいのだろうか?
「たかだかこんな週刊誌の記事に…」と思いたいところだが、実は?そんなにタフではないので、この日本の医療が少しでもよくなることを願って頑張ってきたつもりなのに…今までの想いが溢れて、心が萎えそうで泣けてくる。