「日本政府は過去の過ちに学べ」 日英共同の研究チームが日本政府のコロナ戦略に指摘

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8月18日付の英国医学雑誌「British Medical Journal(BMJ)」に、日本と英国の共同研究チームが「日本で新型コロナウイルス感染症の第二波がなぜ起きたか」という記事を投稿、その中でこれまでの政府の対策の不備を複数指摘しており話題となっている。

「日本政府は過去の過ちに学び改善すべき」と明確に指摘される

記事を投稿したのは、「8割おじさん」と呼ばれた西浦博京都大学教授の北海道大学時代の教え子で、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院に留学中の清水一紀医師、国際保健・医療政策が専門の坂元晴香医師ら。

記事では、いわゆる「第二波」を許した原因として具体的に以下の点をあげている。

  1. PCR検査体制の不備
    医療機関からの検査依頼を十分に受けられず、このために正しく診断できない例が増え、結果として市中感染や院内感染が起きたと指摘している。
  2. 保健所の体制逼迫
    紙ベースの古い非効率な報告体制がミスやデータの重複などを誘発し、保管所の体制を逼迫させたとした。
  3. 政府のコミュニケーション戦略の失敗
    「三密」回避のプロモーションはうまくいったが、ソーシャルディスタンス、手洗い、不要不急の外出の回避にはインセンティブが伴わず行動変容を起こせなかったと分析した。
  4. 専門家会議の独立性、専門性の不足
    当初設置されていた専門家会議の独立性が足りず、またメンバーに経済学、行動科学、コミュニケーションなどの重要な分野の代表が選ばれていなかったため専門性も偏っており、政府に対して十分な助言ができなかったとした。
    また、会議で「社会的接触を80%削減すべき」という会議の意見が政府によって改変され、「最低70%、理想的には80%」と弱められたことを取り上げ、専門家会議の意見が政府によって修正されたと批判した。
  5. 政府の説明責任と透明性
    政府が感染収束に向けての明確なビジョンとメッセージを出さなかったと批判した。具体的にはオリンピック・パラリンピックの延期について十分な説明も果たさず、また緊急事態宣言についても、会見で欧州諸国が実施しているロックダウンとは違い自粛のお願いであることを強調することで効果を弱めてしまったとしている。実際、日本ではテレワークの実施率が上がらず、公共交通機関の旅客数も目標ほどには減らなかった。

現在の戦略にも手厳しい指摘

寄稿では現在の政府の対応にも以下のような厳しい指摘を行なっている。

  1. 専門家会議の独立性については、廃止して分科会へと組織改変したことでさらに透明性が減った
  2. 再び感染者が増加傾向であったにも関わらず「GoToキャンペーン」を行った
  3. 全国のPCR検査能力が未だ1日当たり40000件以下にとどまっていること、また拡張させるための方法論が議論されていないこと
  4. 保健所を含めたデジタルテクノロジーの導入が不十分であること

最後はこれらの点の改善とともに、遺伝子テータ、ビッグデータ解析などより広範な最新科学の知見、デジタルテクノロジーの導入や防護具のロジスティクス強化も必要であり、政府は過去の過ちから学び改善するべきだと結んでいる。

 

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